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2008年8月6日 シトカ滞在 その9 

干上がった海岸線を歩く足元の岩に根を張る小粒の二枚貝は
みなムール貝だというのです。
足元に広がる一面の海草の美しさに見とれはしたものの
今朝ひとりで歩いていたのにつゆとも気がつきませんでした。

さっそく4人でムール貝採り開始。
どこを見ても全方向ムール貝だらけ。
海の水はとても冷たく、次第に凍えいく指先に息をかけながら
夢中になって採りました。
20分ほどでビニール袋いっぱいになったムール貝で
なにを作ろうか、とタケシさんは思案顔。
われらキャンプサイトには調理に必要な道具も調味料も
十分に揃っていないため、
マサミくんと私はそれぞれコッヘルとカップとお箸を持ち
せめて朝食の足しにとトマト・クリームチーズ・ハムなどを携え
タケベラ宅へ移動しました。

男子ふたりが水場でムール貝の洗浄している間に
ベラさんにたき火にいい落木の見分け方を教えてもらいながら
女子ふたりで薪木を拾い集め、ベラさんが火を熾し
私はうちわ代わりのボール紙で必死に空気を送り込みました。

朝食の献立はもち米のご飯とムール貝のお味噌汁。
なんとアラスカのスーパーでもち米が売っていたそうです。
ベラさんのお母さんお手製のお味噌や梅干のほか
日本茶や塩などは日本から持ってきたこだわりの品。
地元のスーパーはもちろん、現地の人からおすそ分けしてもらった食料や
時には採集したきのこや山菜などを使った手料理がふたりの食事の基本。
なるほど、テーブルの傍らには昨日作ったばかりだという
摘み取ったブルーベリーのスープが置いてありました。
そんなふたりだから、お米を炊く加減や火の扱いはすばらしく
使い込まれた調理道具の数は少ないけれど手際よく、
昨日の夕食で残ったスープや食材もあますことなく使い切り
無駄がありません。
わずかの生ゴミや、ムール貝の貝殻も火に入れて燃してしまうため
ゴミは食材を包んでいたラップやビニール袋だけ。
それすらも半加工した食材を保存したりゴミ袋として再利用するのです。

1時間ほどして食事の用意ができました。
4人でテーブルにつき、遅い朝食をとりました。
さまざまなエキスがたっぷり入ったお味噌汁は深みがあり、
小粒のムール貝はプリプリとして旨みがぎっしり詰まっていました。

切り詰めた味気ないキャンプの食事はそこにはなく
豊かで滋味深い食事がありました。
自分たちが食べるために収穫し、火を熾し、調理し、食す。
なんと長くて豊かな時間だったのだろう。
食事をすることのほんとうの意味を初めて知ったように思いました。

torieyes_alaska25.jpg


2008.11.08 Sat 08:12
カテゴリ: すごろく旅日記
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